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豊饒の海3巻「暁の寺」

豊饒の海3巻「暁の寺」読了、、、すごい、すごすぎた。
三島の描写力というのは、中沢新一いうところの流動的知性と関係あるだろうか、、
自分のような凡人では絶対に思いつかないような大胆で強烈な比喩なのに、それを読んだときに、笑ってしまうほど「わかる」。
仏教の阿頼耶識に関するくだりは難解を極める。ここだけネットでいろいろ調べながらゆっくり読み直さないと。
倒錯した性の世界がいろいろ出てくるが、恐ろしくも甘い美の世界。「あっち側の世界」などと突き放して読むことなど到底できない。完全に引きずり込まれた。
1,2巻はもう一度読むことはないと思うけど、この暁の寺は、絶対あと何度か読むことになると思う。今すぐ再読すべきか、4巻の天人五衰をとりあえず読んでしまうか、、
というか、そもそもこれを読み始めたのは、こないだ亡くなった橋本治の「三島由紀夫とは何者だったのか」を読むために読んでおかなければならない、という理由からだったのに、、今はそんな動機など、どうでもいいと感じている。橋本治のはそれはそれでもちろん読むんだけど。